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中田喜直先生の書籍『音楽と人生』随筆集 レビュー その2

中田喜直先生の書籍『音楽と人生』随筆集 レビュー その2

前回がレビュー1だとすると書ききれなかった部分を今回はその2ということで、進めていきます。『音楽と人生』随筆集、この本はピアノ以外の事も多く書かれていて主張が強いと客観的にみて思う内容もありますが、もし音楽家、作曲家として当たり障りないことを淡々と書く書籍だと中田イズムがない、つまらないものになっていたでしょう。例えば、子供は8歳以下ピアノは...とかも厳しい意見だと思いますが子供達に対して中田先生の優しさなんだと思います。

「手の大きさは(アルペジオなど)弾き方しだいで何とかなる」「腱が伸びるから誰でも今のサイズで大丈夫」とか肝心な事を濁すピアノ教育より人間らしくて、個人的には手が小さいとか中田先生贔屓というのを横に置いて、共感できるところが多いです。

細幅鍵盤ピアノが普及すれば増額はなくなると書かれているように、最終的な到達地点はそこで、普通は鍵盤が元の鍵盤(C~H16.5cm)と細幅鍵盤(Mサイズの鍵盤)の取り替え用が別途付属していて初めて増額です。最初はライン立ち上げなどで増額は分かります、しかし普及してくると材料からみても細幅鍵盤ピアノの方が安くなっても良いくらいです。(学生の購入には学割とかあればいいですね)

今の普及タイプと同じ価格で提供できるようにする為には、現状のように188mm鍵盤(C~H16.5cm)購入サイクルが続くと不可能になり、お客が16.5cm規格を購入するから(それしか選択肢がないから)資金的にその一部の金額が次の開発に当てられて16.5cmがまた製造されるというのは避けたいループです。

紹介しきれなかった部分で、

・世界の一流ピアニストはどう考えているか? 
 レオニーD・クロイツアーの話
・「ピアノ演奏のテクニック」ヨーゼフ・ガード著、大宮真琴訳の紹介
・ピアニスト パウル・バドゥラ=スコダさんの記事 
・国立音楽大学教授でピアノ技術者でもある 郡司すみさんのリポート
・藤原真喜美さんのPTNAの機関紙

なども重要で、書籍として売られている物もありますが、絶版や入手困難な物も多く、中田先生も書かれていますが記事やリポートなどは定価をつけて小冊子にして欲しいものばかりです。

中でも日本で一番不足していると思う、細幅鍵盤ピアノ購入の感想でP.149にある藤原真喜美さんのPTNAの機関紙より「細幅鍵盤を入手して」が大変参考になります。実際に細幅鍵盤ピアノを購入した人の感想とかは日本では特に貴重で、こういった体験談や感想文、手の大きさである程度好まれる鍵盤幅サイズが分かるグラフのデータとかも実際の細幅鍵盤ピアノ販売ホームページで読めるアメリカのSteinbuhler社ような状態が望ましいですね。

他にも、故豊増昇氏が、

「もう十年早くすればよかった」
『音楽と人生』随筆集 P.133より

と述べられています。前記の藤原さんも納得できるという感想にも書かれています。豊増昇氏が述べられたことは今の若い世代のピアノ離れなどの問題を緩和できる言葉ではないだろうか?と思いました。自分にとっても今の子供達やピアノを志す学生、10年後ではなくまさに「今」の話です。

自分は社会人としてはまだまだ若輩者ですが、もっと若い、今、小中高大の学生の人や、何なら今日生まれた人が「細幅鍵盤ピアノ?Mサイズのピアノ??知らないよ」という頭の上にハテナ状態にならないようにしなければと思います。

中田喜直先生も反響の少なさに驚いて実際弾いた人には素晴らしさが分かってもらえたと書かれているように、継続的に常時店頭に設置されていないと良さは伝わらないです。局地的な盛り上がりを見せても、その前の段階の中田先生がそういう素晴らしいピアノを作られたということ自体知らない自分がいたわけですから、全国的に見ても知ることができないゆえにファンレターの1つも送ることができない、反響が少ないと感じてしまう環境であったと思われます。

Carol Leone先生のように1つでもネットで「Mサイズ鍵盤のピアノによるショパン演奏」とか、これは例ですがこういう日本語タイトルの動画とかでも、その時代にアップロードされてたりしていれば反響はものすごい大きかったはずです。

現在だと、ネット普及により今まででは考えられないことができます。全国的に知名度を上げるのはKORGのmicroSTATIONみたいに昔より容易になってきているので、お試しみたいな感じで1曲とか曲の途中まででも演奏をアップロードされたり存在を残して行く事の方が大切です。

広告の方法も変わってきている現代、細幅鍵盤ピアノを弾いている動画を見つけられたのがたまたまDr.Carol Leoneの7/8という細幅鍵盤ピアノで弾く、リスト編曲のシューマン『献呈』で、それはYou Tubeだっただけで動画サイトもYou Tube以外にも多く存在しますし、販売されるとユーザーは「(商品名)で弾いてみた」系の動画で黙っていても相乗効果があり「私も俺も、あのMサイズ鍵盤のピアノを弾いてみたい!」という気持ちになると思いますし、同時に広告にもなっているという実情もあると思います。

また、可能性としてDVDやブルーレイなどの普及で「細幅鍵盤ピアノによるピアノ演奏 中田喜直ベスト」など販売されれば喜んで購入します。(映像が残っていれば是非企画を!)
PV的なものを残せると過去に販売されたピアノではなく、これからも多くの需要があるピアノ、日本のMサイズのピアノは健在なんだ!というアピールにもなります。恒久的にいつ行っても試弾できる、販売されているという環境が続くことを願います。

話が壮大になってしまいましたが、是非お手元に1冊、図書館にも所蔵があると思うのでピアノを弾いていて手が小さい事で悩んでいる人、そんな友人知人をみかけたらこの本を紹介して細幅鍵盤ピアノ、Mサイズのピアノ(この呼び方の方が気に入っている)を広めていきましょう!
最後に、この本を執筆された中田喜直先生ありがとうございます。(ブログは続きます)

20100123.jpg
AmazonさんはNo Imageだったので
超縮小した背表紙だけ(引用の範囲だと思います)

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テーマ : ピアノ
ジャンル : 音楽

tag : ピアノ鍵盤ショパン小さいオクターブMサイズのピアノ音楽と人生随筆集中田喜直

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標準鍵盤だけが生き残った背景

細幅ピアノを個人レベルで楽しみたいとしたら、それはすでに実現可能なわけですね。Steinburler社の一万ドルの製品があります。(ただしグランドピアノが必要)
http://www.steinbuhler.com/html/grandretrofit.html

ただ、コンサートホールや教育機関など、社会的レベルの普及となるとどうでしょうか。たとえばポルトガルの女流のピレス(かなり手が小さい)とか、有力どころが自分のコンサートや録音で使うとか、そういう、何かしらのインパクトが必要な気がします。

一方で、手の大きいピアニストにも手の大きいことによるハンディキャップがあることも確かです。彼らは大きい手に伴う困難を克服してメジャーになったわけで、それはそれで立派です。

それでも、大きめの手に有利で、小さい手の人を排除するような標準鍵盤しか社会的には生き残らなかったのはどうしてでしょうか?それは、リスト以来、「ピアノは大きなホールでオーケストラとも張り合うことができるもの」というような重厚長大的な位置づけがピアノに与えられたからかもしれません。そういう場合には、体力があって力の出せる大柄の人(主として男)≒大きな手の持ち主が、やはり有利でしょう。この場合、大は小を兼ねるとはいきませんので、今の鍵盤より小さくすると、今度は彼らが弾けなくなってしまいます。

この流れを変えうるとしたら、(大舞台でのヴィルトーゾ的演奏よりも)小さな空間で少人数でピアノの生の音を楽しむような、そういう文化が育つことにあるのかもしれません。ショパンのピアノ音楽の概念は、まさにそのようなものでしたね。

Re: 標準鍵盤だけが生き残った背景

こちらにもコメント頂きありがとうございます。

Steinburler社はグランドピアノと今はCharles R. Walter社との提携でアップライトピアノにも対応されているようです。

http://www.steinbuhler.com/html/walter_uprights.html

以前は椅子や取り替え用モダンサイズの鍵盤も付いて5400ドルの7/8サイズ、スタジオアップライトピアノもありました。
実現可能といえばそうなります。紹介する事で広く情報を共有するという意味もあって、直ぐというわけにはいかないでしょうが日本でもという思いもあります。

確かに社会的レベルで100%覆す事は無理なのは想像がついて、それを反転させてコンサートホールでも学校でも全て細幅鍵盤ピアノ環境を目指そうという運動ではありませんし、手の小さい人に合わせよう!というのは行き過ぎで、自分のやっていることはせめて日本でも1990年代頃や今のアメリカぐらいまでは広告など含め普及してほしいな運動です。

これが中田喜直先生のされていた細幅鍵盤運動に近いものか正直分からないですけど、やっている事はデータを集めたり知名度アップを目標にしているブログで、純粋に自分にできる範囲で普及に繋がる事をしたいという感じです。

手の大き過ぎる事、手が小さ過ぎる事のハンディは日本ではどちらかというと小さい方で多く聞かれます。1880年以前の歴史的なサイズとか知らないでいきなり今のサイズを購入する人の数も少しは減ったり、一部教育機関や一部コンサートホールでの演奏も可能になってくると思うんですよ。

兆候と言いますか最近の流れとして細幅鍵盤のピアノで鶴岡音楽祭2010という音楽祭、鶴岡市文化会館で演奏会があったのは前進です。アメリカのようになっていくとすれば教育機関はまだまだビジネス的に(ある意味社会的に)大学、専門学校などにも入る隙があって日本ではこれからという気もします。あの音楽大学には7/8サイズ、15/16サイズが新しく設置されたから入学したい!という生徒、こういったことが将来日本でも起こる可能性、そうなったらいいなという理想もあります。

現役で今のサイズを使っている手の小さいプロピアニストが細幅鍵盤ピアノでの録音とかも現状あまり聴けないですが、この先企画などされるとインパクトもありますね。機会があれば、と思っている手の小さいプロピアニストは多いかもしれません。

この本の中でも録音ではなく話ですが、世界の一流プロピアニストのレオニーD・クロイツアー、ヨーゼフ・ガード、パウル・バドゥラ=スコダ 諸先生方もプロ目線で必要だと呼びかけられているのでもっと多くの方にこの声が届いてほしいと思います。手の小さい人の場合、細幅鍵盤ピアノというのは普及率の事もあり、あの版のあの運指、弾き方や工夫、あれも試しこれも試し、曲も何千回と弾き、その後の後の最終的な話になる事も多くて、これが初めて弾くピアノが細幅鍵盤ピアノになればいいわけですが、そういってないのが残念です。

日本は需要と供給より需要は常にあると思いますが知名度が先で、ある程度のお客からの要望、声が挙がって、設計図は残っているでしょうから再販されると販売台数は伸びると考えています。趣味レベルだと、もっと需要がありそうで、これはTSさんのコメントの「少人数でピアノの生の音を楽しむ」というショパンの招いてサロンでピアノを弾くというスタイルに最も近いと思います。「理想」という面を押し出しているというのも自覚もあり、それでも、何もしないよりはという気持ちです。

もちろん、今最前線で活躍されている人の邪魔(?)と言ったら変ですが、そんな滅相もない事をしたいわけではないです。対立ではなく調和といいますか、普及のバランスも取れるといいのですが。

長文になりましたが、読んで頂けたら幸いです。
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