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中田喜直先生の書籍『音楽と人生』随筆集

中田喜直先生の書籍『音楽と人生』随筆集 

書籍の方面で新情報が入ってきましたので紹介します。ショパンのピアノや鍵盤の大きさについて研究されている方も文献になるのではないでしょうか。それは、中田喜直先生の書籍で年始辺りから読み始めてはいたのですが、読み終えるまで時間が掛かり今日になりました。

タイトルは『音楽と人生』随筆集です。ピアノ以外にも書かれているので、ボリュームのある内容の濃い本になっています。

最初に説明はありますが「Vアイオリン」など実験的に読み方を発音に近いようにと、変えたりしている事もあり、旧仮名遣いの「思ふ」みたいな逆に読み難い(先生すみません)ような気もするのですが、
細幅鍵盤ピアノのデータを集めて研究している自分としては充実した内容でした。
中でも第4章の「日本人とピアノ」という項目はショパンの鍵盤幅のヒント、私は確信をついている箇所だと思います。

・子供のピアノ教育について
・ちいさい子どもはピアノをやめよう
・Mサイズのピアノ
・ピアノ演奏のテクニック
・手の小さい人は入試で落とせ
・細幅(Mサイズ)鍵盤ピアノを使う

中田喜直著 『音楽と人生』随筆集 第4章より

これは第4章のテーマです。感想としてこんな1つの言葉でまとめてはいけないのですが、そのどれもが素晴らしくて手の大きさに関係なく重要です。特にピアノを教える側の人にも読んでほしいです。

ハノンやバイエルより先に読む
ピアノを購入するより前に読んでほしいピアノの本


といっても大げさではありません。データという意味では確信をつく正確なサイズとして「ショパンのピアノは何センチ何ミリです」とは書かれていないのですが、

P.130中ほどに一部引用させて頂き、

「ショパンの使っていたピアノも大体このくらいだったらしい」

という一文があることからも、その少し前のページにある「昭和30年に、私の鍵盤の幅を少し狭く作らせた(1オクターヴで約1センチ)」というピアノが大橋幡岩さん設計のDIAPASONアップライトピアノだと中田先生のピアノが1オクターブで約174mm鍵盤(C~H15.2cm)なのでC~Hだと15cm台もしくは15cm付近という解釈でショパンのピアノは、ほぼ間違いないと思います。

このような研究や発表が昭和30年の「教育音楽」誌で書かれて呼びかけられているということが驚きでした。それを20代になるまで知らなかった、というのも正しいピアノの情報が少な過ぎる日本の現状といいますか、情報が偏った方向に統一(学校の教科書など)されている証拠にもなりますしピアノ教育というのはやり方だと思います。

学校の授業で習ったような歴史や常識とされていた教育も変わってきたりしていますし(歴史だと1192年、いい国つくろう鎌倉幕府など)鎌倉幕府は1185年から(語呂合わせだと、いい箱作ろう?)とかも教科書の内容が研究によって正確になっていく必要性、異なる解釈もあるにしても、同じものでも比べ、校訂する事は重要です。何故なら、ショパンやサイズにバラつきがあっても他にも多くの作曲家の楽曲はその上に成り立っているわけですから。リアルタイムで講演に行けなかったこと実際に出会えなかったのがとても残念です。

また、130ページではヤマハもカワイも少しの増額で対応してくれるという内容でこの書籍には書かれていますが本の発行日1994年頃の話のようで、実際「今」店頭に行って訊いても電話でも現状ではヤマハもカワイも対応していないです。

少し前ですがお店の人に訊いた話の経験上や、私以外にも細幅鍵盤ピアノについて購入を尋ねた方の話では、やはり店員は「今は生産していない」「規格なので」「男性だとこちらの方が・・・」などC~Hで16.5cmの方を「標準」として推してきます。ショパンの鍵盤幅やタッチウエイトの話を小一時間説明してもいいのですが(さすがにそこまでは・・)非常に残念です。

140ページの話だと、1880年頃に今の188mm鍵盤(C~H16.5cm)というサイズが定着したようです。今の幅が固定(もちろん日本ではなく海外で)され、そのサイズになった理由などは文献みたいなものがないから、わからないそうで悲しい限りです。

理由は必要でしょうか?

今のサイズでも、弾きやすいという人もいるでしょう。しかし弾き難いという人の声もあることは事実で、3種類くらいなら常時既製品として作れるというのもまた事実です。1990年頃のサイズをもう一度見直してほしいですね。何より中田先生や、そのMサイズのピアノ開発に携わられた多くの方の努力をなかったことに・・・なかったことに・・・みたいな雰囲気にさせたくない!という強い思いがあります。

『音楽と人生』随筆集、是非、読まれてみてはいががでしょうか。自分も1回通して読み終えたという感じなので、もう少し詳しく読み返してみようと思います。まだまだ、ここに書ききれない事が多くありオススメの1冊です。

随筆集 音楽と人生随筆集 音楽と人生
(1994/03)
中田 喜直

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テーマ : ピアノ
ジャンル : 音楽

tag : ピアノ鍵盤ショパン小さいオクターブMサイズのピアノ音楽と人生随筆集中田喜直

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中田氏の本を読んで

はじめまして。趣味でピアノを少し弾きます。手の大きさとピアノの関係については以前から興味がありました。数日前にこのブログを発見してざっと読み、今日は中田先生の本を図書館で借りてきて細幅鍵盤の章を読みました。

オクターブがぎりぎりの手の小さい人でもピアノがうまい人はたくさんいます。というか、手の大きさと手の敏捷性は反比例するのでは?これは生理学的にみてもおそらく正しいでしょう。

幅広鍵盤ピアノの普及で、音楽性は豊かだけれども、手の小ささのためにピアノを断念していた人々へ道が開かれるとしたら素晴らしいことです。

Re: 中田氏の本を読んで

コメントありがとうございます。

このブログが中田先生の書籍に出会うきっかけだと記事を書いた自分も嬉しいです。
手の小さい人でもピアノが上手い人が多いのも知っていますが、素早いアルペジオや届く範囲だと左右で分けたり工夫でカバーしているのが現状だと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=SBfDN9DBsnk&feature=player_embedded

上リンクは最初モダンサイズの(C~H約16.5cm)と7/8(C~H約14cm)で弾いていて、客観的に見て指に掛かっている負担というのが外見からは判り難いです。ショパンもこれと同じ様な事、場所によっては今のサイズに近いピアノを使った事もあるでしょうし、どちらも「音楽として成立して弾けている」とか「上手い」というのは当てはまっています。

では今のサイズで弾けるんだから全て解決、という人(そう思っている人)が多いのも問題で、余計な所に力が掛からない自然な姿勢や運指に繋げる為にもオクターブ範囲でも若干のゆとりが欲しいというのが本音ですね。
ショパンは特に楽譜と実物大の手(模型)など比較しても、腱の伸びだけで説明がつかない物理的に不可能な箇所があるという点も多くの人に知ってほしい事です。

今日、この「音楽と人生」のレビュー2、その他普及についてできそうな事、考えなどなど追加する予定なので拙い文ですが一読していただけると幸いです。
また、お気軽にお立ち寄りください。

動画を観ての印象

レオーネ女史の動画は大変興味深いですね。以前にも観ましたが、今回はpart 2も含めてじっくり観ました。

予想どおりというか、標準鍵盤から7分の8のDS鍵盤への変化が大きすぎるという印象。標準鍵盤ではレオーネさんはオクターブは届くものの、典型的な小さい手のピアニスト。それがDS鍵盤となると、シューベルトの曲で左手の変ホ→変イの完全11度が弾けています。

ですが、レオーネさんの最終評価ははたしてどうなのでしょう?日常使いこなしてみて、自分の手を広げた範囲にこれだけ多くの鍵盤があると、かえって使いにくいのでは?。彼女には15分の16タイプの鍵盤が合うような気がします。

ここでは、左手の開放型の十度の和音が問題とされていますが、ピアノという楽器の特性を考えると、十度が同時に押さえられるかか否かというのはあまり本質的ではないと思います。私も合唱曲のピアノソロ編曲などをやっていて広い音程が届けばありがたいと思うことはありますが、「十度、とりわけ長十度(白鍵と白鍵、白鍵と黒鍵、黒鍵と黒鍵)をつかめなくても差し支えない」と個人的には結論づけています。理由は、(オルガンなら話は別ですが)ピアノにはタッチがあります。広い音程がつかめるようになったからといって、(個々の構成音の)タッチまでコントロールできるでしょうか。

ピアノの命は軽やかな動き、および、全体としての響きにあると考えます。
http://www.youtube.com/watch?v=A8EgupHyLYg
この方も小さな手のピアニストで、黒鍵どおしのオクターブはすべての箇所で1-5の運指です。指と手首が柔軟なせいもありますが、小さな手でも威風堂々たる演奏です。豊富な練習の賜物でもあるでしょう。

もちろん、この方が15分の16タイプへ切り替えても即座に対応できるでしょうし、おっしゃるように余裕が出て指や腕、身体への負担を軽減できて、故障を未然に防げるでしょう。ですが、この方にもDSサイズは不要と思われます。

もちろんオクターブが上から押さえられない人々にとっては、細幅鍵盤はまさしく福音です。ピアノが変わっても付け替えて一生使えるので、1万ドル出す価値はあるでしょう。

それと、この動画で指摘したいのは、DSでも鍵盤の奥行きは不変ですよね。だから、ますます細く見えます。実は大きな手の人で12度以上開いても、黒鍵の音符があると前の壁に中指などがぶつかってしまい実用的には打鍵できません。DSキーボードはこの点も回避できるわけですごいです(笑)。

Re: 動画を観ての印象

ありがとうございます。

最終的に医学的な手の負担の軽減など、これが需要の鍵になってくるかもしれないですね。私が興味があり実際に欲しいのは15/16辺りのサイズなのですが、かといって7/8サイズがほしくないとかはないですし不要には結びつかないように思います。

Carol Leone先生の最終評価はモダンサイズと比較して説明している時点で毎日使いたいくらいの高評価でしょう。モダンサイズが低評価ではなく、最も自然な余計なところに力が入らない姿勢でピアノを弾けたり指のポジションなどが理想的だったりするわけです。

手にセンサーみたいな機械を取り付けて安定しているというような、データなども調べられているくらいですから。特に日本人女性は需要が高いと思います。これは平均身長とか上がったりしても、まだまだオクターブも届かない人は大勢いるので、そして「子供でも弾いているじゃない」というのが大きな誤解を生んでいる気もします。

これは、手に負担を掛けて無理をして、中には音を抜いてやっと演奏をしているというのが現状です。(もちろん、それは立派なことなのですが)
逆にいつも思うのが、こういった子供達が今7/8や15/16というサイズを手にしたらもっといい演奏ができるだろう、そう思っています。

今の時代に生まれたとしてモーツァルトは神童でありえただろうか?とか、ショパンは7歳の時にポロネーズト短調でオクターブを届かせていますが、大人になって、西洋人より東洋人男性に近いあまり大きいとは言えない手なので子供の頃は更に小さい手を持っていたと考えられます。幼少時代からの細幅鍵盤ピアノ利用の可能性は作曲面でも大きく影響していたことを意味していると思います。

7/8サイズが必要なのは、特に子供や女性、成人女性でもオクターブが完全に腱が伸びきっても両手共に全く届かないなんて人も実際いるわけで、個人的には日本でも必要という結論です。縦幅も小さいですがKORGのmicroSTATIONで雰囲気くらいは確認できるはずです。鍵盤数が増えたり最近はより良い傾向に発展していると思いますしコルグは電子ピアノ部門もあるので期待しているメーカーです。鍵盤部分の加工が容易ということで実験的な鍵盤サイズが作りやすいというのは、電子系の強みです。

社会的レベルというのがどれくらいまでかは分かりませんが、何割か日本にでも既製品として存在する、知識レベルを高めるということが必要で当面の目標です。下手をすると、ショパンは一生通してC~H16.5cmのモダンサイズを弾いていたと思っている人もいるのではないかというレベルです。知らないということを知らない、みたいなトートロジー的な状態はやはり避けていきたいです。

手が小さくても今のサイズでも良いという人もいるはずですし、選択するかしないかを決めるのは価値観で、ショパンのサイズを知っていて選択しないのと、知らず選択までにも辿り着けない場合があるのは、やはりこうして紹介することで趣味レベルでの変化はあるのではないでしょうか。

いずれにしても、鍵盤サイズの明確な「正解」はないのと1880年以前の著名な音楽家の鍵盤は狭い方も多く区々であったという「事実」があるだけです。あくまでも素人テイストなので、そういった事も考慮して読んでいただければと思います。こうしたコメントをもらえると勉強にもなりとても嬉しいです。
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